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相続人のなかに未成年者がいる遺産分割

未成年者のための特別代理人


遺産分割協議とは、相続人間の話し合いで、相続財産の帰属先を決めることです。
たとえば「不動産は長女に、預貯金は長男に」というように相続人間の話し合いで決めていくのです。

遺産分割協議は相続人の全員が参加しなければいけません。
相続人の一部の者が参加しなかった遺産分割協議は無効になるのが原則なのです。

このような遺産分割協議ですが、相続人のなかに二十歳未満の未成年者がいる場合は手続が面倒になります。
家庭裁判所を通して特別代理人の選任が必要になるのです。

特別代理人の選任が必要な「利益相反」


特別代理人の選任が必要になるのは、民法に次のように規定されているためです。

民法826条
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。


これは「利益相反」についての規定です。
利益相反とは、書いて字のごとく「利益が相反する」場面のことであり、遺産分割協議は親子の利益が相反する場面に該当すると気付いてください。通常は未成年者が法律行為をする場合、親権者(親)が子を代理してすることが可能ですが、遺産分割協議でこれを許すと、親権者が自分の利益を追求してしまうことがあるのです。

利益相反になる遺産分割協議の具体例


たとえば、子が幼いうちに父親を亡くした場合を想像してください。
この場合に相続人になるのは被相続人である父親の配偶者(つまり子の母親)と子です。

このような場面で、母親が子を代理して遺産分割協議をすると、子の利益が害されることが十分考えられます(母親が子を代理して自分自身と協議することになるため)。実際に協議するのが母親と子を代理した母親なら、母親が自分の利益を追求してしまうことは容易に想像できるでしょう。

特別代理人の選任は家庭裁判所にて


相続人のなかに未成年者がいて、遺産分割協議をするのであれば、家庭裁判所によって選任された特別代理人が子を代理して遺産分割協議に参加します。

特別代理人は、自動的に選任されるわけではありません。家庭裁判所に選任を申し立てることによって、選任されるのです。