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被相続人の銀行借入の調べ方~全銀協に開示請求~

金融機関などからの借入の確認方法


相続が開始すると、プラスの相続財産だけでなく、マイナスの相続財産も含めて相続人に承継されます。
問題になりがちなのは、もちろんマイナスの相続財産があった場合です。特に銀行などの金融機関からの借入があったら、初めから相続人ではなかったものとみなされる制度である「相続放棄」を検討した方がよい場合もあるでしょう。

では、銀行などの金融機関から被相続人がしていた借入の有無は、どのように調べることができるのでしょうか。ここで説明します。

定期的に口座から引き落とされている取引を確認
まず確認して欲しいのは、被相続人の銀行などの通帳です。口座から毎月定期的に引き落とされているものがあれば、借入金の返済である可能性があります。どのような名目で引き落とされているのか確認してください。

不動産の「登記事項証明書」で確認
銀行などの金融機関からの借入があった場合に、銀行などの金融機関は、故人が所有していた不動産に抵当権・根抵当権といった「担保権」を設定していることがあります。このような担保権が設定されている場合は、法務局で登記事項証明書を取得すれば、どの銀行からもともといくら借入があったのかが分かります。

故人が所有していた不動産の登記事項証明書の「乙区」の欄を確認してください。銀行の担保権が設定されていた場合は、「乙区」に銀行などの金融機関名が記載されています。金融機関名を確認できたら、当該金融機関に問い合わせ、ローンが残っているか確認してください。

全銀協の情報開示制度を利用


相続人は、一般社団法人全国銀行協会の「全国銀行個人信用情報センター」において、被相続人の登録情報を開示請求することが可能です。センターに加盟している金融機関からの借入がある場合は、情報開示請求で、被相続人の借入金の有無が明らかになることがあるのです。下記の書類を用意して、センターで開示請求をすればよいでしょう。

開示請求の必要書類
開示請求で必要になるのは、次の書類です。

開示申込書(法定相続人用)
開示請求者が法定相続人であることを証する資料(戸籍)
開示対象者の死亡を証する資料(戸籍など)(注1)
法定相続人の本人確認書類(1種類)(注2)
開示手数料(1000円の定額小為替証書)
相続人が第三順位の者である場合は、相続関係説明図


(注1)開示対象者の死亡を証する資料とは、下記の通りです。
戸籍謄本(または抄本)の原本、除籍謄本の原本、住民票(除票)の原本、死亡診断書の写し、家庭裁判所の審判書の写しなど

(注2)法定相続人の本人確認書類とは、下記の通りです。
運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、個人番号カード(マイナンバーカード) (マイナンバーの「通知カード」は、本人確認資料にならないい点に注意)、公的年金手帳、福祉手帳、住民票、在留カード、特別永住者証明書、各種健康保険証、印鑑登録証明書

住所・氏名ごとに開示
情報開示は、開示申込書に記入した住所・氏名ごとになされます。被相続人の最後の住所以外に、ローン契約をしたであろう当時の旧住所や勤務先住所などでも調べたければ、その旨をセンターに伝えるようにしましょう。また、氏名についても同様で、ローン契約をしたであろう当時の結婚前の旧氏名や通称名で開示請求をしたい場合は、その旨もセンターに伝えましょう。

なお、開示請求対象の住所と氏名ごとに1000円の手数料が必要になる点は要注意です。

被相続人に借金があっても、開示されないこともある。
センターでの情報開示は、現時点において登録されている情報が開示される制度です。銀行などの金融機関から借入はあるものの、債務者の死亡によって情報が削除されている場合は、情報が開示されないことがあります。