照会書で、家庭裁判所が確認したいこと
照会書を通して、家庭裁判所が確認したいことは2点あります。
①相続放棄の申述が、本当に申述人本人の意思に基づいているかどうか
②相続放棄が認められなくなる「法定単純承認事由」が存在していないこと
相続放棄の申述は、申述人本人の意思に基づいてなされるものでなければいけません(申述人が、未成年者や成年被後見人の場合はその法定代理人の判断で行わなければいけません)。
家庭裁判所としては、誰かが申述人になりすまして相続放棄の申述をしてしまう場面はもちろんのこと、詐欺行為や暴力行為によって申述がなされるといった場面を、なんとかして防ぎたいのです。
また、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月経過した場合や、熟慮期間中に売却や贈与といった処分行為がある場合は、法定単純承認事由(民法第921条)に該当して、相続放棄ができなくなります。この法定単純承認の事由があるかどうかについても、家庭裁判所は確認したいのです。