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相続の場面での登記手続の簡略化

相続登記の相談で聞かれること


札幌で相続登記のご依頼を数多く頂戴している司法書士平成事務所です。札幌・札幌近郊の方で、相続登記(相続した不動産の名義変更手続)にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

さて、札幌で相続登記の相談を受けていると、まれに聞かれることがあります。それは「相続登記が簡略化されるのでしょう?」ということです。テレビや新聞で、そのように報道されているため、皆さん気になるようです。おそらく札幌以外の方も気になるでしょうから、ここで解説します。

ここで解説する相続登記の簡略化は、2020年1月10日に出された「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案」に掲載されていることです。

法定相続分で相続登記がされている場合の手続の簡略化


法定相続分で相続登記がなされていることがあります。たとえば札幌市西区のAが死亡し、その遺産である札幌の土地を相続したのがAの子供であるBとCです。この場合に、遺産分割等がないのであれば、札幌の土地はBとCが2分の1ずつ相続することになり、その2分の1ずつのまま登記されるのが「法定相続分での相続登記」です。

このように2分の1ずつの法定相続分で相続登記がなされたとしても、その後の事情によって「本当はBとCの2分の1ずつではなかった」となる場面があります。

たとえば、札幌の土地をめぐり、BとCが遺産分割協議を行って「Bの単独所有とする」と決めるとしましょう。遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼりますので、札幌の土地ははじめからBが単独で相続していたことになるのです。

このような場合、現在(令和2年4月)であれば、CとBが協力し、「年月日遺産分割」を原因とする移転登記を行う必要があります。Bのみならず、Cも関与することから、このような登記申請の仕方を「共同申請」というのです。

このような共同申請であれば、登記手続きは煩雑になります。また、移転登記であるということは、登記名義を受けるために定率課税で登録免許税を納税しなければなりません。札幌で多くの登記案件を担当する当事務所でも、登録免許税が高額になることはよくあります。

これらの事情から、次の登記については、移転登記ではなく更正登記として、登記権利者が単独申請で行えるようにすることが検討されています。

  • 遺産分割協議又は審判もしくは調停による所有権取得の登記
  • 共同相続人の一部の者が相続放棄をした場合の、所有権取得の登記
  • 特定財産承継遺言による所有権取得の登記
  • 相続人が受遺者である遺贈による所有権の取得の登記

  • 以上の場合に、不動産の権利を取得した者は、単独で更正登記の申請ができるというのです。更正登記であれば、定額課税(不動産一つにつき1000円)ということにすることも可能ですから、相続人の負担を軽減できると考えているのでしょう。

    相続人が受遺者である遺贈による所有権の移転登記の簡略化


    遺贈による移転登記は、現在(令和2年4月)であれば、共同相続人全員(又は遺言執行者)が登記義務者となり、受遺者が登記権利者となって申請します。いわば、「共同申請」です。

    具体例を挙げましょう。たとえば札幌の甲が死亡し、甲の相続人が乙・丙・丁の三名だとします。甲が有していた札幌の建物は、乙に遺贈された場合、甲から乙名義に移転する登記は乙を登記権利者、乙丙丁の三名を登記義務者とします。

    共同申請では、登記手続きは煩雑になりますので、中間試案では、乙の単独で遺贈による移転登記ができるようになるべきであると検討されているのです。