数次相続における管轄
数次相続の場面については、上記の4つの管轄以外にも管轄が認められる法務局があります。これは法令ではなく、制度導入にあたってのパブリックコメントで認められたものです。
そもそも数次相続とは、連続して起こる相続であり、たとえばAが死亡してBが相続人になり、Aの相続手続が終わらないうちにBが死亡して、BをCが相続する場面です。Aに関する相続は「一次相続」といわれ、Bに関する相続は「二次相続」といわれます。
数次相続の場面であれば、Cは二次相続に関してだけでなく、一次相続に関しても法定相続情報証明制度の利用申出をすることが可能です(一次相続と二次相続をまとめた利用申出はできず、一次相続と二次相続はわけて利用申出をします)。
この場合、以下の管轄も認められています。
二次相続に係る被相続人の本籍地又は最後の住所地がどこであるかに関わらず、一次相続に係る被相続人の本籍地又は最後の住所地を管轄する登記所に二次相続に係る被相続人の法定相続情報一覧図の保管等申出ができる
数次相続の場面では、最終的な相続人であるCが、一次相続に関する法定相続情報証明制度の利用申出と、二次相続に関する法定相続情報証明制度の利用申出を同時にすることが考えられます。このとき、Cの便宜のために、一次相続の管轄法務局に、二次相続の法定相続情報証明制度の利用申出も可能であるとされたのです。